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女性のための陰ヨガ〈手放すこと〉

こんにちは。
渡辺純子です。

今日は、「女性のための陰ヨガ」のお話です。
過去にも女性向けに陰ヨガをご紹介するコラムをいくつか書きました。
『肝気の巡りと女性の生理』
『肝気の巡りと女性の生理(パート2)』
『女性のための陰ヨガ《陽の季節編》』
などです。

中医学をベースに女性の健康のお話をすると、大体「肝」がテーマに上がることが多いです。私の過去のコラムも「肝」をメインに書いています。さらに、子宮周りという意味では「腎」、も大切な五臓です。「腎」は冷えとも関係がある五臓ですね。

陰ヨガを日常に取り入れてから、私は20代の頃に悩んだ生理不順や生理痛がすごく改善しました。主に、寝る時間に気をつけて、血をケアすることを頑張りました。その結果、ほぼ28日周期で生理が来るようになり、頭痛といった生理時の不快感が減りました。もちろん、腹痛やだるさなどの症状はゼロではないものの、今でも比較的軽い生理期間を過ごせます。アロマセラピーのブレンドオイルによるお腹のマッサージを併用して取り入れることもありますが、陰ヨガやアロマセラピーといった女性に優しい東洋医学の知恵により、健康的な女性ライフを過ごせているなと感じます。

手放すこと

今回のコラムでは、女性の多くがなかなかできないと感じる「手放す」ことについて、陰陽五行説に沿ってお話します。特に、40代、50代と年齢を重ねていくと、女性は手放せない傾向にあるな、と感じるこの頃です。経験値が増えることが影響しているのかもしれません。
欲しいのに手に入らないもの、自分の思い通りにいかないこと、職場の人間関係や家族に対する悩み事など、「手放す」が上手にできないことで苦しんでいる女性が多いと感じます。

一方で、「手放す」というのは、その悩みや苦しみをゼロにすることではありません。悩みや苦しみそのものがこの世から全てなくなるわけではありません。欲しくないものを無理やり切り捨てようとする行為では、手放し方が間違っています。
苦しい気持ちは、悩みなどに対する心の反応です。感情が過度にアップダウンすることもあるでしょう。その心の反応をあるがままに放っておくことが、適切な手放しを意味します。
簡単ではないですが、上手くいかないことに対する執着を手放すことで、段々と心が軽くなって癒されていきます。

「土の五行」は心の安定の基盤

陰陽五行で言うと、「土の五行」が「手放す」ことと関係します。「土の五行」は、母なる大地を意味します。壮大な優しさと慈しみのある性質です。ある意味、他の五臓の基盤的な役割も担うので、心の安定の基盤と言っても過言ではないでしょう。「土の五行」は、消化器と関連します。具体的な五臓六腑は、脾と胃です。つまり、「土の五行」と関連する不調が起きやすく、「手放す」ことが苦手な方の中には、消化不良を起こしていたり、むくみ体質な方が多いのではないでしょうか。

「手放す」を上手にするにはどうしたらいいのでしょうか。陰陽五行説によると、まずは、土の五行と関連する消化器を整えることです。土台を整えます。経絡で考えれば、脾胃経の気血を通すことです。陰ヨガが大きく貢献できるパートです。

マインドフルネスでいられる力

そして、静かに鎮まることのできるライフスタイルを心掛けることです。大地のように大らかで、嫋やかな気持ちを培うことです。陰陽五行を精神面で突き詰めていくと、山のように静止することから始まる「マインドフルネス」が鍵となります。静かに座って呼吸に意識を向け、大地のような広大な感覚で、何の先入観もない明晰さで心を観ることが「土の五行」の養生となります。そのために、マインドフルネスでいられる力を培うことは、女性のライフスタイルに必要なことです。簡単ではないですが、とてもシンプルなこと。そして、何よりも、悩みや苦しみから解放される一番の近道です。

渡辺純子

株式会社ジュノスタイル代表取締役。陰(いん)ヨガ指導者。
Junostyle~自分らしい自然なライフスタイルを探す旅~というコンセプトのもと、陰ヨガ、アロマセラピー、食を通して「陰(いん)のあるライフスタイル」を提案。
とくに、女性のライフスタイルのバランスを追求し、日本全国やアジアで陰ヨガのワークショップを行っている。講師養成にも積極的に取り組んでいる。
全米ヨガアライアンス認定講師・英国IFA認定アロマセラピスト。
渡辺純子のブログ:https://junostyle.jp/ownerblog/