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陰陽の融合〜心身の安定感を生むヨガの取り組み方②

Inner Asanasを感じよう!

ヨガは、アーサナを通して自分を知っていくプロセスです。まずは身体から観察して、より呼吸が身体とシンクロしたら、内面まで意識が奥深く届いていきます。意識が奥深くまで行き渡る頃には、心身に“気づく力“が備わっていると思います。

私は、陰ヨガでも陽ヨガでも、インナーアーサナ(Inner Asanas)を大事にしています。外側から見える象(カタチ)ではなく、内側で”感じるアーサナ”です。意識が身体と自由にコミュニケーションが取れるようになると、内側から身体の声が聞こえてきます。それが、心と身体が調和した時に訪れる知るプロセスの始まりです。

身体の声は、感覚で捉えられるものなので、五感を静かに開いておかないと聞こえてきません。思考が一切介入しない感覚や知覚の領域です。陰ヨガのアーサナを取るときのように、静かに止まり、静寂さを養って、ただそこに居るだけのとても受動的な行為をします。つまり、荒々しく動いてばかりいたり、頭を思考やメソッドで忙しくしてばかりでは、インナーアーサナを感じ取ることはできないのです。

陰ヨガで養う“手放す力”と“受け入れる力”

インナーアーサナを感じ取る“内側を意識したヨガ”をすると、ヨガがより立体的に深みのあるものに変わってきます。さらに、内側から湧き出るエネルギーに満ちた、励まされるような、安心感を得られるような、そんな柔らかいけど芯のあるエネルギーが宿ってくるのがわかるでしょう。
例えば、陰ヨガのアーサナを適切に行うことで身体の内側(骨まわりや関節等)から開くようにすると、物理的な身体の柔軟性が増してきますが、同時に、心や感情が柔らかくなってくるのに気がつきます。「陰ヨガをしたその日は、あまり子供にガミガミと怒らないの。」というママからのフィードバックが多いのもそのせいでしょう。自分を苦しめる怒りや執着心を自然に手放してるからだと思います。

また、陰ヨガは、積極的に動かず、ポーズを静止して行うことから、その時のありのままの自分の身体の状態を直接的に感じ取れてしまいます。柔軟性がなかったり、落ち着きがないとアーサナがどうにもこうにも深まってきません。それ以上無理ができないので、どんなに身体が硬い日も、うまくいかない時も、ありのまま受け入れるしかないんだよ、と教えてくれます。
受け入れる力は、思考のおしゃべりを手放すことから始まります。「身体が硬い。あー、ダメだ。できてない。」といった判断付きの決めつけた思考です。私もヨガの真髄がまだまだわからなかった頃はそうでしたが、多くの人が上手くなりたい!という気持ちから、ネガティブになったり、ダメというレッテルを貼ってしまいがち。でも、ヨガを楽しむのにその思考は必要ありません。「今日は、身体が硬いんだな。では、身体が和むように優しく呼吸をしよう!」という、あるがままを受け取ることをしてください。今ある現象は現象のまま観て受け入れて、いらない思考を手放しましょう。

私は、陰ヨガをヨガのプラクティスに取り入れることで、様々な気づきがやってきました。コロナ禍の大変な時だからこそ、落ち着いた精神を保ち、冷静な気づきの力を養っておきたいといつも思っています。

渡辺純子

株式会社ジュノスタイル代表取締役。陰(いん)ヨガ指導者。
Junostyle~自分らしい自然なライフスタイルを探す旅~というコンセプトのもと、陰ヨガ、アロマセラピー、食を通して「陰(いん)のあるライフスタイル」を提案。
とくに、女性のライフスタイルのバランスを追求し、日本全国やアジアで陰ヨガのワークショップを行っている。講師養成にも積極的に取り組んでいる。
全米ヨガアライアンス認定講師・英国IFA認定アロマセラピスト。
渡辺純子のブログ:https://junostyle.jp/ownerblog/