こんにちは。
ジュノスタイルの渡辺純子です。小雪が過ぎ、大雪がもうすぐやってきます。陰の季節ももうすぐ極まる（冬至）季節ですが、いかがお過ごしでしょうか。「冬は落ち着くことをしたい。」と、しばらく遠ざかっていた陰ヨガや瞑想プラクティスを再スタートする方も少なくありません。
今日は、マインドフルネス瞑想と無意識に自分でつくってしまう“我がまま”という壁について書こうと思います。

企業が取り組むマインドフルネス瞑想

10月の終わり頃に、企業向けのマインドフルネス瞑想の講座を行いました。とある外資系企業の人事部からの依頼なのですが、今年で3回目になります。初回は、実際にオフィスに伺って行い、2回目以降はコロナ禍においてzoomで配信をしました。

ランチタイムを利用した1回45分の枠を2回行う連続講座。「マインドフルネス瞑想とは？」を適切に理解してもらうことを重視した講座にしたのですが、皆さん丁寧にお話を聞いてくださりました。前回までは、女性が多かったのですが、今回は、男性社員が多く参加されていたのが印象的でした。社員の心の健康を考える人事部の熱も感じられて、指導する私にとってもいい経験となりました。

人生の豊かさは精神の成熟さ

瞑想は、心を成長させるツールです。心を適切に整理すること、心の強さを養うこと、精神的に大人になることです。私は、ヨガから瞑想に行き着きましたが、ヨガでも、スポーツでも、仕事でも、お料理やお掃除など日常の活動でも、最後は心の在り方が結果をつくると感じることから、誰にでも実践してほしいツールと感じています。

人生そのものがそうであるように、一つのことをじっくりやり遂げるためには、精神的な成熟さが求められます。精神的な成熟さとは、心の豊かさです。信頼をもとに、心が開いているかどうかです。
一言でいうと、”我がまま”では、“自分（私）”という壁を乗り越えられないのです。
日本人の多くの人が頑張り屋さんですが、頑張り屋さん全員が心を豊かに育てているでしょうか。

“我がまま“と“ありのまま“という視点

私たちが生きる社会は、個人主義が当たり前のようになっています。だから、巷にある啓発本などの類の多くは、自分で決めて、自分の責任のもとに、自分で行動していくようなことを勧めています。それが自己の実現と思われています。でも、個人の達成だけで、人は大きくなれるのだろうか、と思うのです。

瞑想の哲学では、よく“利他”をいいます。”我がまま”の反対です。他人を利するのだから、自分が損をしているような感じに聞こえますが、本当にそうでしょうか、というのがここでの問いかけです。
自分の意見や先入観で物事を捉える”我がまま”から出発するのではなく、公明正大な“利他“の視点を持つことは、最終的に自分の豊かさへと繋がると思うのです。 物事を“ありのまま”に、成すがままに成らせるようにしていると、自然と物事は成すべきところに落ち着いていくのです。

まず、自分の“我がまま“を知ろう

マインドフルネス瞑想のプラクティスは、まずその”我がまま”を観ることから始めます。自分の思考や先入観、意見や感情などをまず知ります。どんなことを頭の中で考えているのかをまっすぐ見つめることから始めます。

陰ヨガでじっくり身体を観察することと同じと感じます。自分を見つめて、自分を知ることから始めるのです。フェイクも欺瞞もなしです。目を背けることもしません。大きな感情が出てきても、無かったことにしたり、追いやったりせずに、その感情をただ感じながらアーサナと共にいます。

手放して、シンプルに“今”に戻る

そして、その思考や感情といった頭の中の複雑を手放すことをします。「ただの思考だよ。ただの感情だよ。大袈裟に騒ぐことはしなくていいよ。」と。良い悪いの判断をしたり、考え込んだりせずに、パッと頭の中から、思考や感情を手放して、シンプルに、”今”そこに起きている呼吸に意識を戻します。

すると、違った景色が見えてきます。”今”というライブ感を持った感覚が自分を包みます。“今”と一体になった”私”からは、”我がまま”が自然と消えていき、“今”ある周りの出来事と調和をし始めます。陰ヨガの視点から言うと、陰陽が交わり和合するようなイメージでしょうか。陰も陽もなく、対立も分断もないのです。

心の成熟さは、こうして養われていきます。マインドフルネス瞑想の実践は、物事の捉え方に変化をもたらします。それは、人生の豊かさでもあります。マインドフルネス瞑想を今日から始めてみませんか。

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