旅するごはん 第1話 ラフテー
旅するごはん
「はじめましては、祝いのご飯」
みなさん、はじめまして。
東京で毎日、ご飯をつくり暮らしている華表 由夏です。
料理研究家というのはこそばゆいので、料理探検家とでもしましょうか。
いいですね、探検家。
作るのも、食べることも好きですが、知らなかった料理を知るのが一番うれしいかもしれません。
今日からどうぞよろしくお願いします。
記念すべき探検記第1話目は、私にとって幸せなイメージの
「ラフテー」
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知らない方はいないのでは?と思うほど有名な沖縄を代表する料理。
遡るは琉球王国、宮廷料理のひとつでした。
今では町の食堂にはもちろん、祝いの席でも振る舞われています。
見る限りでは、いかにもこってり!していますが
丁寧に作られたものは違います。
下茹でをした三枚肉を、鰹だし、泡盛、黒糖、醤油を合わせたお鍋にそっと入れ
コトコト コトコト…お箸で触りたくなるのは、ぐっとこらえて。
つやつやと表面が輝くころには、白かった脂身部分も透き通り、箸でほろりと崩れるように。
時間をかけ、しっかり脂抜きされた豚肉は驚くほどあっさり食べられます。
私にとって幸せなイメージとなったのは最近のこと…
先月、大切な友人たちの結婚式で沖縄の離島・竹富島へ行ってきました。
式の前夜、ブーゲンビリアが咲く石塀の間を歩きながら小さな食堂へ。
友人夫婦を囲み、オリオンビールを飲みながら、皆で一緒にラフテーを食べたのです。
もうそれからは、ラフテーを煮込む時間も好きになりました。
写真に写るラフテーの横には、そのときの嬉しい気持ちと
春がやってきた喜びをとじこめて、桜を飾ってみました。
いつか、季節によって添えられる葉や花のお話もお伝えしますね。
*豚肉には牛肉の10倍のビタミンB1が含まれており 糖質をエネルギーに変える力に優れています。 運動後の疲労回復にも大いに役立ちます。 排出だけに注目するのではなく、取り入れることで 体の代謝を手助けしてあげることも、ときには選んでみてはいかがでしょうか。
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華表 由夏(とりい ゆか)
MUSEUM Cafe&diner オーナー
夏生まれ。
好きなことは
本をめくること
創造すること 考えること
全国各地の郷土料理や、世界の家庭料理を探検中。
- ムゼウム
- 東京都豊島区西池袋5-13-10
- 03-3984-0607