<学びのあるヨガのすすめ>
Junostyleでは『ヨガ指導者のためのアーサナ講座』をしています。陽ヨガ(ハタヨガ)のアーサナを学ぶ、ヨガ上級者のための講座です。皆さんすごく熱心に学んでくれているので、私も励みになるのと同時に、私自身も講座の準備や皆さんの質問等を通して、多くのことを勉強させてもらっています。
参加者さんが新潟以外の地域の方ばかりであったのと、コロナ禍でスタートした講座だったので、ずっとzoomでの開催になっているのですが、それでも、ヨガのリテラシーが高い方々が参加してくださっているので、声と映像のインストラクションでかなり通じているところが素晴らしい講座です。将来的には、私が各地を移動したり、新潟での開催をしたりできたらと思っています。
アーサナを仕上げる過程を大切に
私がこのアーサナ講座で大事にしていること。それは、アーサナの細部にこだわって丁寧にアーサナを仕上げるという点です。ただ、完成形を求めるのではなく、最終的に、自分の内側から感じる繊細な部分に辿り着くことです。
それには、まず、細部に渡るアライメントが大事です。筋肉と骨の動かし方や動かす順序、弛緩と収縮するべき身体の部位の区別、陰ヨガとの違いと共通点などを、ある程度、解剖学をベースにアーサナを分解します。そして、最終的には、身体の感覚として捉えていく繊細さを磨いていくことが大事なのです。聞いて、熟考して、修練していく「聞・思・修(もん・し・しゅう)」のプロセスです。
一般的に、ヨガは、汗をかいてダイエットするものという見解が広まっているけれど、本来は、身体への意識を研ぎ澄まして、身体の隅々にまで観察する(または、観察力を養うための)作業です。ヨガは、自分のことを知る道具だというのがヨガの伝統的な考え方です。もちろん、楽しく娯楽的なヨガもいいのだけれど、そこに“学びがあるかどうか”というのはとても重要なポイントです。ヨガの学びはとても深く、生活スタイルなど自身の在り方とも深く関わってくるからです。
アライメントを大事にすること
まずは、自分の身体でアーサナを行ってみます。アーサナに向き合うその過程を大事にします。呼吸をきちんとつかまえて、筋肉の収縮や伸展の様子を観察していきます。アーサナごとに基本的なアライメント(安全に安定したポーズを行うための基本的な構造)があるので、一つ一つ丁寧に、注意深く、順序を確認します。これを無視してしまっては、形無しになってしまいます。基礎を丁寧に学ぶからこそ、応用が発展します。初めは大変でも基本事項は確認しなくてはいけません。
どこから始めてもいいと思います。好きなアーサナ、または苦手なアーサナ、何でもいいので、いくつかのアーサナを繰り返し何度も練習をしてみてください。そのアーサナが上手にできる、できないは問題ではありません。アーサナから受ける感覚そのものの経験の積み重ねが大事です。「ただ、やる。」を繰り返すだけです。自分が思っているよりも、ハムストリングスが硬いかもしれません。腹筋がまだまだ弱いかもしれません。それでも、それを経験してみましょう。もちろん、現実(その時の身体の持つ柔軟性)を無視してはいけません。無理は禁物です。だから、アライメントをきちんと習うことが大切なのです。一つ一つ自分の身体のできる範囲から積み上げていくことが大切なのです。
自分でシークエンスを作ってみよう!
私がヨガ指導者養成講座を受けた理由は、自分でシークエンスが作れるようになりたかったからです。ヨガティーチャーになるつもりは全くなくて、その時々の自分の身体に合ったシークエンスを作ってお家でもプラクティスができるようになりたかったからです。当時通っていたスタジオの先生が、シークエンスをしっかり教えてくれるヨガスクールを教えてくれました。2008年の春に、ちょうどヨガアライアンス(RYT200)を取得できるコースがあったので、1ヶ月アメリカに行ってヨガを学んできました。講座修了後は、自分でシークエンスを作って、スタジオに行かない日も90分のヨガプラクティスを自宅で楽しんでいました。
シークエンスが自分で作れるようになると、ヨガがもっともっと面白くなります。例えば、身体が「もう少し腹筋を鍛えたい!」と言っていたら、その通りに腹筋の鍛えられるアーサナを集中的にシークエンスに取り入れたらいいのです。「関節が硬いな。柔軟性がないな。」と思えば、柔軟性が増すようなアーサナを選んでシークエンスを組み立てればいいのです。シークエンスを組み立ててプラクティスすることは、自分の身体に向き合うプロセスでもあります。将来的に、ヨガティーチャーになりたい方は、自分のためのシークエンス作りから始めてください。このプロセスは、教える立場になった時に絶対に生きてくるはずです。
陰ヨガの学びが広げてくれる視野
陰ヨガをプラクティスは、関節の柔軟性を高めるとか、身体のリラックスを促すといったこと以外に、陽ヨガのプラクティスに深さを与えてくれていると感じます。陰陽の両方の側面を知ることは、物事の見方や考え方に変化を与え、視野を広げてくれるからです。当然シークエンスづくりにも好循環が生まれます。さらに、陰ヨガの陰陽五行説に基づく中医学や経絡理論を学ぶと、経絡という新しい身体の概念が加わってシークエンスの幅が広がります。
このように、ヨガの学びはどんどん広がります。終わりがないのが正直なところですが、それがヨガの面白いところであり、ヨガの醍醐味でもあるかと思います。
- *「zoomによるオンラインレギュラークラス」の詳細は、Junostyleのウェブサイトをご覧ください。
- *Junostyleは、全米ヨガアライアンス認定スクールです。RYT200とRYT500の両資格の取得が可能であり、ヨガから瞑想までトータルで学べるヨガスクールです。特に、陰ヨガがメインとなりますが、ヨガを通して精神や心の質を高めることに注力しています。(詳細は>>>こちら)
- *その他講座の詳細等は、ワークショップのお知らせ欄をご覧ください。
- *過去のワークショップを一定期間視聴できます。見逃した方、まとめて学習やプラクティスをしたい方におすすめです。詳細等は、オンデマンド〈見逃し配信〉をご覧ください。
若林純子
株式会社ジュノスタイル代表取締役。陰(いん)ヨガ指導者。
Junostyle~自分らしい自然なライフスタイルを探す旅~というコンセプトのもと、陰ヨガ、アロマセラピー、食を通して「陰(いん)のあるライフスタイル」を提案。
とくに、女性のライフスタイルのバランスを追求し、日本全国やアジアで陰ヨガのワークショップを行っている。講師養成にも積極的に取り組んでいる。
全米ヨガアライアンス認定講師・英国IFA認定アロマセラピスト。
若林純子のブログ:https://junostyle.jp/ownerblog/
関連コラム
-
2024/11/29
<陰ヨガを学ぶことの意味>
ヨガは、「繋がる」という意味です。“何に繋がるの?”という前提の議論がそこにはありますが、まずは、「自分と繋がること」がスタート地点でしょう。
-
2024/11/29
<陰ヨガが導いてくれた道>
少し難しいお話になるかもしれませんが、哲学として陰陽思想を追求していく過程で、私は易経にたどり着きました。また、陰陽といった概念は出てきませんが、
-
2024/09/27
<瞑想をすすめる理由>
瞑想とは、自分自身のことを見つめる作業です。自分自身と親しみ、自分の体、心、精神がどうなっているかを明確に観察できる力を養うものです。
-
2024/05/31
『ヨガ指導者のためのアーサナ講座』のこと
Junostyleでは、毎月1回のペースで『ヨガ指導者のためのアーサナ講座』を行っています。きっかけは、生徒さんから「陽ヨガの講座をつくってほしい。」という声があったことです。