<陽のクロージング:静寂さを培おう!>
私が静寂さを持つことが大切だと気づき始めたのは、ハタヨガを中心とした陽ヨガをやり込んでも「身体にこれ以上空間ができないな。」と感じた頃でした。おそらく、本格的にヨガを始めてから3〜4年経ったころだと思います。その当時は、陰ヨガを知りませんでしたから、選択肢は1つでしたが、何かが不足している感じはありました。今なら説明できますが、自身のヨガに「陰」が不足していたのでした。
その後、しばらくして当時プラクティスしていたサイゴンヨガ(ホーチミン市・現在は閉業)に陰ヨガクラスができ、早い段階で陰ヨガ養成講座(シンガポールにて)に参加しました。これが、後に陰ヨガ養成講座の通訳のお仕事に繋ったのですが、陰ヨガとの出会いは、私の人生を開いていった大きな出来事の一つです。
陰ヨガを中心にヨガを教えることは、私のライフワークとなりましたが、陰ヨガの持つ性質が、ヨガ哲学の観点からも、陰陽理論の観点からも最も大事だと信じています。「陽のクロージング:アクセルを外そう!」でも言及しましたが、心身に落ち着きと静寂さがないと気づきの力が働かないからです。
例えば、目の前にあるものや出来事について、本来そのまま見えるべきものが、きちんと見えないということです。時に、歪んで見えていることもあります。正しく見えなかったら、正しい目的も意見も発動しませんから、どんどんおかしなことになるというわけです。 「アクセルを踏みながら、ブレーキを踏んで車を止めようとしている。」というのはまさにこのことではないでしょうか。
「ヨガスートラ」にヨガを定義している一節があります。 YOGAS CHITTA VRITTI NIRODHAH (心の作用を止滅することが、ヨーガである。)「インテグラル・ヨーガ」より
私が習ったこの節の解釈は、「さざ波の立たない水面のような心の在り方を仕上げることがヨガである」でした。つまり、心が落ち着き、静寂である様のことです。別の言い方をすると、マインドフルネスです。
ここでは詳細は割愛しますが、アーサナにも落ち着きを持って取り組むことが大切ですし、動のヨガ(例えばハタヨガなど)だけでなく、静のヨガ(陰ヨガが代表的なヨガ)をプラクティスすることで、陰陽の体感値を積み上げていくことは、心身の視野を広げてくれるのではないかと思うのです。時々、自分がプラクティスしているヨガに固執して、それ以外は正しくないと思い込んでいるヨギも見かけますが、それは陰陽理論から見ると、全体像が見えておらず片側だけの狭い視野の中でヨガをしていると思われます。勿体無いです。
さらに、ヨガをするなら最終的には瞑想もプラクティスすることをお勧めする理由の一つがこのヨガスートラの一節にあります。さざ波一つない水面のような心を仕上げることがヨガの目的であるなら、身体で行うアーサナだけでなく、心のトレーニングである瞑想も必須だからです。
陰陽理論では、「陽が増える時、陰が減る。陰が増える時、陽が減る。」という法則があります。これは、白と黒の太極図で表されますが、陰陽は一時たりとも止まることはなく、常に変化して止まないことを示しています。
変化することを「易」というのですが、「易経」は時や場面や状況に応じた行動を教える時の学問でもあります。つまり、アクセルを踏むべき時や場面があり、アクセルを緩めるべき時や場面があります。そして、ブレーキを踏むべきタイミングはというと、一旦アクセルを緩めた後であることは明らかではないでしょうか。
だから、陰を始める前に、陽のクロージングが必須なのです。 <陽のクロージング:土の五行との関係>に続く
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- *Junostyleは、全米ヨガアライアンス認定スクールです。RYT200とRYT500の両資格の取得が可能であり、ヨガから瞑想までトータルで学べるヨガスクールです。特に、陰ヨガがメインとなりますが、ヨガを通して精神や心の質を高めることに注力しています。(詳細は>>>こちら)
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若林純子
株式会社ジュノスタイル代表取締役。陰(いん)ヨガ指導者。
Junostyle~自分らしい自然なライフスタイルを探す旅~というコンセプトのもと、陰ヨガ、アロマセラピー、食を通して「陰(いん)のあるライフスタイル」を提案。
とくに、女性のライフスタイルのバランスを追求し、日本全国やアジアで陰ヨガのワークショップを行っている。講師養成にも積極的に取り組んでいる。
全米ヨガアライアンス認定講師・英国IFA認定アロマセラピスト。
若林純子のブログ:https://junostyle.jp/ownerblog/