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今だからこそ、陰ヨガとメディテーション

こんにちは。渡辺純子です。全国的に雪模様だった1月前半でしたが、皆様いかがお過ごしでしたでしょうか。本日は、陰ヨガとメディテーションのお話です。

  

ヨガは心を開くためのツール

ヨガ指導者養成講座(RYT200時間など)で触れた人もいるかもしれませんが、「ヨガスートラ」を読んだことありますか?
ヨガの経典と言われる「ヨガスートラ」によると、ヨガの目的は、心の動きを鎮めることです。心がKleshas(煩悩)に囚われずに自由になることです。つまり、ヨガの目的は身体に留まるのではなく、心へのアプローチが最終ゴールということになります。心は、生来優しく嫋やかなものですから、大人になっていく過程でくっついてしまった先入観や固定観念を剥ぎ落として、自我にしがみつかずに心を開いていくことが大切なのです。

このヨガスートラをじっくり読み進めていくと、Kleshasを壊すにはメディテーションが必要だとはっきり明記されているのがわかります。昨今、派生的なヨガも沢山ありますが、ヨガ哲学を土台とする本来のヨガに目を向けると、アーサナ(ポーズ)を行うことだけがヨガではないです。また、八支則(はっしそく・アシュタンガ)にあるように、ヨガのゴールであるサマーディ(悟りの境地)に達する8つのステップは、7つ目がメディテーションです。やはり、ヨガを本来のヨガのまま受け入れようと思ったら、メディテーションは無視できないものになります。

  

心を自然に開くための“陰”

では、ヨガの目的である心の動きを鎮めて、心を自由に開いていくためにはどうしたらいいのでしょうか。それは、“陰の性質”を持つことだと思います。陰ヨガで感じる陰の要素を、自身のヨガとメディテーションにきちんと繋げることです。さらに、それを日常生活にも広げていくことです。

まずは、“身体に陰を持つこと”です。
静かに身体を静止させることができますか?呼吸を繰り返すだけの単純な作業ができますか?これは陰ヨガに限りません。動きのある陽ヨガをしているときも、身体に持ち続けたい要素です。アーサナの観点から言うと、身体の柔軟性、例えば、静かにパドマーサナ(蓮華座)で座れるだけの筋肉や関節の柔軟性を養うことです。ヤマ・ニヤマなどの規律的な習慣やライフスタイルのレベルで言うと、陰の時間に行うべき休息(睡眠等)を取るなど、規則正しい生活習慣を送っているかということです。中医学的に言えば、慢性疲労や未病などエネルギーの収支バランスがマイナスになっていないかということです。

次に、“心に陰を持つこと”です。心の状態は、穏やかですか?自分のペースばかりを主張せずに、自然に任せること、委ねること、時の流れを待つことなど受動的な行為を実践できますか?思考では、執着を手放し、シンプルになるなどです。イライラせずに、常に冷静でいますか?冷静になり、自分のこと、自分を取り巻く環境を素直に見つめることができますか?嫌なものを排除するのではなくて、共存を許せる穏やかさを持っていますか?

  

“何もしない”が育てる心の強さと大きさ

こうした心を養う学びと実践がメディテーションですが、プラクティスとしては、“いかに何もしないことを実践できるか”につきます。私は、ヨガの学びが陰ヨガからメディテーションへと進みましたが、何もしないを実践してきた結果として、とても自然な流れだったと思います。

コロナ禍、私達は行動を制限されて、心身ともに不自由を強いられていますね。医療の現場や専門家など努力をしてくださっていますが、それでも人間の力ではどうにもならない現状に従わされています。陰ヨガとその哲学である陰陽思想に触れてきた人間として、こういう時こそ、ストレスを溜めてイライラするのではなく、心を鎮めて、心を開いて、冷静に毎日を過ごすことだと思うのです。その行動は、心を強く育ててくれます。今こそ、陰ヨガが日常や人生に生かされる場面でしょう。簡単なことではないですが、一歩踏み出すことは誰にでもできると思います。

  

今だからこそ、陰ヨガとメディテーション、始めてみませんか。

渡辺純子

株式会社ジュノスタイル代表取締役。陰(いん)ヨガ指導者。
Junostyle~自分らしい自然なライフスタイルを探す旅~というコンセプトのもと、陰ヨガ、アロマセラピー、食を通して「陰(いん)のあるライフスタイル」を提案。
とくに、女性のライフスタイルのバランスを追求し、日本全国やアジアで陰ヨガのワークショップを行っている。講師養成にも積極的に取り組んでいる。
全米ヨガアライアンス認定講師・英国IFA認定アロマセラピスト。
渡辺純子のブログ:https://junostyle.jp/ownerblog/