<陰ヨガを学ぶことの意味>
ヨガは、「繋がる」という意味です。“何に繋がるの?”という前提の議論がそこにはありますが、まずは、「自分と繋がること」がスタート地点でしょう。
陰陽思想は自分と繋がるためのヒントだらけ
陰ヨガの哲学である陰陽思想は、自分と繋がるためのヒントが詰まっています。まずは、身体で感じる陰陽のお話です。私は、陰ヨガをプラクティスしてきた経験から、相対する動と静の性質を実践することで、上手にプラクティスのバランスが取れると感じています。
動くヨガばかりですと、どうしても体感値としての視野が偏ってしまいます。陰陽の観点からは、一つではなく二つあって調和が取れます。そもそも、コインの裏表のように、裏無くして表は存在し得ないわけです。このことに気づくことが最初のステップです。
陰ヨガをヨガのプラクティスに取り入れることの大事な点は、真逆の性質を身体に体験させることです。動が中心ならば、その逆の静の体験をすることで、視野が確実に広くなるからです。
身体の動作としてのヨガのポーズは、どの流派も本質的にはそれほど大差はないと思うのです。もちろん、コンセプトに相違があり、シークエンスのあり方も違いますが、人が身体で行うことのできる動作の数はそれほど多くはありません。複雑に見えるポーズ群も、よく観察すると、シンプルなポーズに集約されていきます。この点は、陰ヨガも陽ヨガ(私の場合アヌサラベースのハタヨガ)もシークエンスづくりの鍵でもあります。
陽ヨガと陰ヨガでは、見た目の形が同じポーズは沢山あります。しかし、性質は真逆。この真逆のポーズを経験することは、身体の感覚領域をもっと開いてくれる気がします。すると、ポーズのみならず、ヨガそのものに対する視野を広げてくれます。自分と繋がるための土台がここで出来上がります。
陽ヨガの理解を映し出す陰ヨガ
陰ヨガは、アライメントがないという方が時々いますが、そんなことはありません。特徴としては、中心軸と骨の置き所が大事かなと思います。筋肉に対する特定のアライメントはありませんが、敢えて言及するなら、出来るだけ“脱力”することです。
陰ヨガを行っているとき、身体をできるだけ脱力し重力に任せるように静止すると、そこには陽ヨガで培った身体が如実に現れると感じます。陽ヨガでどのような身体づくりをしているか、身体に対する理解や蓄積がそこに存在しています。ティーチャーならば、ティーチングのスキルや深さがそこに現れるでしょう。
陰陽はコインの裏表
陰ヨガをプラクティスしていて、「あ、この部分は陽ヨガでこう鍛えていった方がいいな。」などと感じることがあります。逆に、陽ヨガをしていると、「陰ヨガでじっくり緩めた方がいいな。」と感じることもあります。相互が保管しているのだな、とわかります。
まさに、陰と陽または静と動の違いをきちんと識別できていて、調和が生まれているところでしょう。
また、陽ヨガでできていないことは、陰ヨガでもできていないことが多いです。例えば、重心の置き方といったことは、動いていない陰ヨガのポーズをしている身体のエネルギーのあり方で現れます。陽ヨガで「出来ている」と思っている部分も、動いていることで真実が見えていない場合もあります。ごまかせてしまう、という言い方もできるでしょうか。
陰陽はコインの裏表の論理です。実はよく見ると一つのコインなのです。私がどちら側を見ているかで見解が変わりますが、表の裏には裏があり、裏の裏には表があることを明確に認識できているかどうかでアーサナの見え方や感じ方が変わります。さらに、アーサナの変化と成長が変わります。皆さんのアーサナに進化(深化)は見えますか。
- *「zoomによるオンラインレギュラークラス」の詳細は、Junostyleのウェブサイトをご覧ください。
- *Junostyleは、全米ヨガアライアンス認定スクールです。RYT200とRYT500の両資格の取得が可能であり、ヨガから瞑想までトータルで学べるヨガスクールです。特に、陰ヨガがメインとなりますが、ヨガを通して精神や心の質を高めることに注力しています。(詳細は>>>こちら)
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若林純子
株式会社ジュノスタイル代表取締役。陰(いん)ヨガ指導者。
Junostyle~自分らしい自然なライフスタイルを探す旅~というコンセプトのもと、陰ヨガ、アロマセラピー、食を通して「陰(いん)のあるライフスタイル」を提案。
とくに、女性のライフスタイルのバランスを追求し、日本全国やアジアで陰ヨガのワークショップを行っている。講師養成にも積極的に取り組んでいる。
全米ヨガアライアンス認定講師・英国IFA認定アロマセラピスト。
若林純子のブログ:https://junostyle.jp/ownerblog/
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